東日本最古のエレベーター
最古の木造建築物とかは歴史の教科書で習ったことがあると思いますが、
日本最古のエレベーターをご存じでしょうか?
今回は東日本で1番古いエレベーターをご紹介します。
最古のエレベータは函館
そのエレベーターがあるのが北海道 函館市 地域まちづくりセンターです。
平成19年4月1日に開館した函館市地域まちづくりセンターですが、
もともとは大正12年に3階建ての丸井今井デパートとして建設された建物を利用しています。
昭和5年に3階建てから5階建てに改築となり、
昭和9年には大規模な改修工事が行われ、手動式エレベーターが設置されました。
型 式 : ロープ式乗用エレベーター
積載量 : 1000キログラム
定 員 : 12名
動 力 : 8kW交流モーター
ロープ : 5本(直径15ミリ)
製造所 : オーチスエレベーター
函館市の公共施設へ
昭和44年に丸井今井デパートが札幌市へ移転すると建物は函館市の分庁舎として使用されることとなりました。
手動式エレベーターは現在も現役として使用され続けています。
日本で使用されている手動式エレベーターとしては東日本で最古のものであると言われています。
エレベーターの床には名盤があり東洋オーチスエレベーターのメーカー名が記されています。
東洋オーチスエレベーターは昭和7年に設立されました。
昭和8年には国産第1号のエレベーターが設置されています。
それから考えると、昭和9年設置の函館のエレベーターは国内でも初期段階に設置されたことを示しています。
操作は手動エレベーターのため室内に操作レバーがあり、左右に倒すと上昇・下降します。
操作は各階床面の位置を見ながらタイミングをみて手動で停止させます。
すべてマニュアル操作なので操作する人の熟練した技術が必要となります。
逆に中途半端な高さでも停止できる、今となっては珍しいエレベーターです。
地震時の管制運転装置を付加するなど、安全面については補強していますが、
駆動装置の仕組みは新しくしていないようです。
さびついていた真鍮製の手すりや運転ハンドルなどは磨き上げられて当時の色を再現しています。
あの人も見学に来る!?
このエレベーターには三菱電機の社長も見学に来るそうです。
とても古いためエレベーター業界でも大変貴重なエレベーターのようです。
部品供給がないものもあることから壊れてしまったら見学がその時点で終了となってしまいます。
日本で1番古いエレベーターは?
ちなみに、日本で1番古いエレベーターは京都にあります。
京都のモダンな建物に設置されていて、現在では中華料理店となっています。
ただし、中華料理店を利用した人でないと見学できません。
函館をおススメする理由
無料で見学するなら函館をおススメします。
さらに函館の地域まちづくりセンターでは学芸員さんが説明と試運転をしてもらえるため、かなり貴重な体験ができます。
ですのでもし興味がある方は函館まで見学に行ってみてはいかがでしょうか。
レトロな雰囲気を味わい、当時にタイムスリップしたかのように感じる貴重な体験でした。