アドラー心理学 その2
アドラー心理学を読み終えたのでまた内容について紹介したいと思いますす。
自分の課題と他人の課題
アドラー心理学では「他人の課題に踏み込むことはない」と言われています。
これには例え話がありまして、
「勉強しない子供」がいたとします。
子供が勉強しないことに対し親が「勉強しなさい」と言うのは他人の課題に介入している典型的な例だとしています。
子供が勉強しないことで影響を受けるのは「子供自身」であって親ではないとしています。
そのため、勉強する・しないの課題は子供の課題であって親の課題ではない、
それを親が解決しようとするのは大きな間違いだとアドラーは判断します。
親の課題としては「子供が勉強できる環境を作り出す」だったり「勉強の面白さ・楽しさを伝える」だったりと子供が勉強することのサポートをするのが役目だと言っています。
褒めてはいけない
そして、アドラー心理学では叱るのも褒めるのもどちらもやってはならない行為とも言われています。
「叱る」も「褒める」もどちらとも上下関係を構築する行為、アメとムチいわゆる賞罰関係を意味する行為だとみています。
とくに褒めることがなぜ危ういのかという点、
褒める行為というのは能力のある人が能力のない人に向かって評価している証になってしまうのです。
ここで上下関係が構築されると「親や先生には敵わない」など自身の中に潜在的に上下関係を構築してしまうとしています。
褒められ慣れると褒められるために行動する癖もついてしまい、
他人の評価を気にして行動をするようになり、自分自身の生き方が出来なくなってしまうことにつながります。
このように、
アドラー心理学では自分と他人の課題をしっかりとすみ分け、どの課題が自分に対するものなのかをはっきりさせることが大切であり、他人の課題など自分自身が口出ししても困るのも解決するのも他人だと言っています。
相手を尊重した「共同体」という考え
自分自身が相手を思ってどんなに丁寧に寄り添ったとしても相手が好感を持つか嫌悪感を持つかは相手次第、
そんな不確定なものを気にしているよりも自分自身にとって大切なこと、課題は何か見失わずに生きていこうという考え方を丁寧に教えてもらっているような感覚です。
ただ、相手を非難したり蹴落としたりなど蔑む行為は否定しています。
本の最終章にも他人に向けて思いやること、人すべては横の関係(対等な関係)である意識を持つことも書かれています。
家族・友人・学校・会社・地域それぞれにおいて人と人の対等な関係「共同体」と認識し、共同体への貢献をすることで自分の存在意義が見出すことができ、
「自分自身がここにいてもいいのだ」という感覚を持つことが幸福へつながると締めくくられています。
読み終えて
前々から電車の中づり広告などにこの「嫌われる勇気」が掲示されていました。
その当時は全く気にも留めていませんでしたが、いま初めて読んでみると「なぜあの時読んでいなかったのか」という気持ちが出てきます。
そのくらい読んでいて面白い本でした。
まだ手に取っていない方はぜひ読んでいただきたい本です。
また、中田敦彦さんもYouTubeで解説していますのでそちらも参考にしてみてください。