土木職人「オケラ」
今回は「おけら」の愛称でなじみのある「ケラ」についてご紹介します。
ミミズだって、オケラだって、アメンボだって、
童謡「手のひらを太陽に」の歌詞にも登場するため、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
オケラの愛称で知られていますが、正式名称は「ケラ」です。
ケラは田畑などの地中に巣を掘り、おもに地面の下で暮らしている昆虫です。
バッタ目ケラ科でふ化した幼虫は体長6mm程度ですが、成虫は体長27~35mmまで成長します。
幼虫と成虫がほぼ同じ形態をしている不完全変態な昆虫です。
成虫は黄土色で頭と胸は黒褐色、穴の中で動きやすいよう円筒形の身体をしています。
ケラの一番の特徴は地中を掘り進むための平たく大きな前足です。
その姿からモグラの子供と勘違いしてしまいそう
ケラはその前足が特徴的です。
コオロギの仲間ではありますが、姿形はコオロギよりも「モグラ」に似ています。
前足にはしっかりとした爪が付いていて土を掘り進むのに適した形をしています。
ケラを手の中に積んでみるとその前足の力強さがわかります。
前足を外側に向けて広げ指と指の間をこじ開けようとしてきます。
とても人間の力では抑え込めるようなものではありません。
穴を掘るスピードもケタ違い
体長3cmのケラが土を掘り進めるスピードは1分間で20cm程度といわれます。
体長3cmのケラの体格を身長170cmの人間として換算すれば、1分間に12mの土を掘り進めるという驚異的なスピードとなります。
さらに、穴を掘り進めUターン出来ないほど狭い隙間を通過中に、向かいから危険が迫っても問題はありません。
ケラは体を反転させずにそのまま猛スピードでバック出来るという特技も持っています。
一本道なのでそのまま来た道を猛スピードで戻ればよいという素晴らしい危機管理能力です。
都心では見かけられません...
ケラは田畑の地中に生息しているため都心部など田畑が少ないところでは見ることが難しくなっています。
しかし、レッドデータにはまだ登録されていないため、郊外の田畑ではまだまだ見れるようです。
これからの夏、郊外へ出かけたときはケラの鳴き声を頼りに探して観るのも良さそうですね。